明神峠ってららら〜ららら〜ら〜ら〜♪

温暖化を通り越して、炎熱煉獄化が進行中の青い星からこんにちは


そして、やっと待ちに待った季節がやってまいりましたよ
秋ですよ、実りの秋

そんな秋の夜長にロングライドへと走り出すのですよ


でも待てよ、なんか大事な事を思い出しそうな、どうでもないような
それは夏休みの宿題みたいな・・、いやいやむしろ春休みの宿題だった可能性もするんだなこれが

て、もう秋だってのに、いまさら春休みの宿題とか思い出してどうするのよってツッコミは大歓迎なのです
というかむしろプリーズ、ツッコミ



忘れもしない2013年、4月11日のこと
関東界隈の峠を上りまくって、ちょっとばかし調子に乗っていたおれっちの元に
ある峠の噂がどこからとも無く、聞こえてきた。

その名も明神、どうやら神らしい
その明神様は、とんでもない鬼畜な性格で、駆け出しヒルクライマーのこころをへし折り、調教したのち
従順なペットにするのが趣味だとか

そおんな神にあるまじき行為
おれっちとウニョ子さんとで、成敗してやるぜ!

そんなこんなで、意気揚々と挑んだわけなのだけど

ご期待通りに返り討ちにあいましたんです
もう完膚なきまでに、けちょんけちょんですね

己が無力を、骨の髄まで思い知らされちゃって、すごい勢いで逃げ帰ってきたんだか
デスルーラしたんだかは、よく覚えていないという有様。

あのエンボス加工の激坂区間で、完全に脚が売り切れて、魂をロストしちゃったみたい

それからずっと亡者生活ですよ。


と、無駄な前置きがどんどんロングになりそうなので、ここから本題へ

落し物は回収しないと
それがたとえ、しけった魂だとしても、だ

さぁ、明神様にリベンジクライム

ON YOUR MARK.


世界は、どうやらシルヴァーなんたらかんたらで、激しい道路渋滞が懸念されるようなので
できるだけ、早朝に挑みたいということで、深夜2時半に出発す

R129→R1と乗り継いで、一路小田原方面を目指すんだよ



深夜のR1は怖いくらいの静寂に支配されているが
いかんせん信号ストップが多いので、なかなか進まないんです

ならばR246があるじゃないの、近いし速いよ、と思われるでしょうが
いろいろあるんですよ、いろいろと


ま、まぁインターバル・トレーニングだとおもえば、それはそれで苦にはならないかな

風の噂で聞いたんだけど、深夜の国道では信号のサイクルが短く設定されるんだとか
都市伝説かなと思ったけれど、日中に比べてきっちり止められるので、そうなのかも

だれも頼んでいないのにインターバルセッティングにするなんて、R1さんはとんだお節介もんだぜ

それでも空いた国道1号線は快適そのもので、巡航速度があがります
あんまり調子にのって踏みすぎると、リベンジする前に力尽きそうなので
我慢の走りで西を目指そう


いつもの酒匂川のたもとで休憩

当然ながら真っ暗で、川の様子はようとせず

日が昇るまでには、まだ1時間以上あるので
暗闇の酒匂川サイクリングロードは選ばず

県道74で大雄山駅を目指します


夜の大雄山駅、異界に迷い込んだような静けさ


足柄山のヒーローにご挨拶

おれっち「キンタロス! ちょいとばっかり力を貸してくれよぅ」
金太郎「だが断る! ・・キンタロスって誰だよ」

と、とってもフレンドリーなかんじに挨拶を済ませた後
ウォームアップの足柄峠にレッツクライム

キンタロスの声援を受けて、まだ暗がりの足柄街道を順調に登ってゆく
はずだったのだけど


青い夜空が白み始めたころ、唐突に体に異変を感じ始める

なんだか力が入らない、両の手がむちゃくちゃ痺れてるんですけど?
まだ半分も登りおえていないと言うのに、なんということでしょう

脚はまだ終わっていないらしく回せているが、両手がハンパなくジンジンとして強く握れない

これはもしや、ミネラル不足による神経障害なのか?

ハンガーノックの恐ろしさは重々承知なので、糖分補給は万全だったはず
しかし、塩飴等の補給財が切れていたので携帯してこなかった
そのうえ、ボトルの中身は真水

外気温は低いし、ほとんど発汗もなかったので、十分持つはず
と、高をくくっていたのがいけなかったっみたい

やはり峠を甘く見すぎていたのか、てか
こんな有様で登り切れるのだろうか?

いやはや、ウォームアップをリタイヤ寸前て、すさまじく
おれっちクオリティーだなぁ、とちょっと自分に感心しつつ

心肺機能の著しい低下によるブラックアウト寸前で、なんとか登頂

 

雲が多くて、富士山は先っちょだけ
待っていても出てきてくれそうに無いので
スポーツドリンクを手に入れるべく小山市街へとダウンヒル決行、その前に


誓いの鐘

各所ヒルクライマーさんブログで見受けるスポット
誓いの言葉を叫びつつ、この鐘をつくと、なにかが起きる(という事はないらしい

どうにか小山市街にたどり着いて、エリクサーを確保
明神さまのお膝元でぐびりながら神経系の回復を待つ

もしも、このまま痺れが取れないなら、素直に諦めて
須走まで走って籠坂峠を登って、山中湖へ抜けよう
そんな思考が頭の隅でごにょごにょし始めている

籠坂峠はゆるいといえども、ヤビツん1本登るくらいだから
疲弊した、やわらかヒルクライマーに決してやさしくは無い道だが

・・

・・・

・・・・

無理は禁物、命あってのモノダネ
生きて帰れば、いつか再戦できる

戦略的撤退なのだし、なにを恥ることがあろう

と、明神様が耳元でささやいたのであった(ヤバイヨヤバイヨ!



戻ってきたぜ

ミネラルが全身を駆け巡り、ジョジョに感覚を取戻してく両の手

こ、これはいけるのじゃなかろうか?
苦節二年、おれっちはこの日ために生きてきたのだっ!


あの日の忘れ物、マイソール
取戻してみせるぜ!

いっくぜぇぇ!!

・・・
YOU ARE DEAD.

魂ロスト

しかもエンボス加工の激坂にすらたどり着けず



・・・・?!

あれ? おかしいな、おれっち死んだのか?

すまん、キンタロス
せっかく応援してくれたのに、ダメだったよ・・

脚はまだ残っているはずなのに、背筋がオールアウトしたのか
全然踏み込めない、ダンシングすることも出来なかった

すこし休んで回復をこころみながら登るも、すぐさま背筋がオールアウト寸前
これじゃ完全に腰砕けだよ

激坂区間は一度脚を着いてしまうとリスタートは許されないので
緩斜面まで必死に登っては休む、てのをひたすら繰り返し、1時間ほどかかって
息も絶え絶えで、たどり着いた峠最高点
たったの3.8kmが永遠に感じましたよ

缶コーヒ、ときどきドーピングしつつ道志みちをゆるゆるっと降って帰り着いたのは16時過ぎ

走行距離 161km
取得標高 2329m


ロングなクライム主体コースにおいて背筋持久力がモノを言うのだということを
実感できたライドだったのじゃなかろうか、というか

あきらかに退化してるじゃなーい


魂は失ってしまったけれど、またあの地に立てたので、よかったよかった
ということにしといてくださいませ。